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2014年12月5日金曜日

「切腹」 映画のお話です。


「切腹」 映画のお話です。




こちらの映画は、1962年松竹映画製作となります。



監督

小林正樹




出演

仲代達矢

石浜朗

岩下志麻

丹波哲郎

三國連太郎 他





<映画 切腹 予告編>






簡単なストーリー


寛永の世、千々岩という浪人がいた。




千々岩は、折り重なる不況によって働く場所も見つからず、病気の妻と病気の子供を抱えながら生活していた。




そしてとうとう追い詰められた千々岩は、自らの魂でもある「刀身」を売り払ってしまう。




それでも生活は困窮を極め、ある行動に出ざるを得なくなる。




領主の家に向かう千々岩。
そこで仕官をあおぐ。
しかし、仕事はなかった。




ならば切腹を、と領主に迫る。
が、領主は断固として仕官を拒否、だけならまだしも、「この場で切腹しろ」と、軽々しく告げる。




実は、領主である斉藤には思うところがあったのだ。
斉藤は、当時流行っていたという「浪人のゆすり、たかり」行為にたいそう腹を立てていた。




浪人のゆすりたかりとは、人の家に浪人が出向いては、
「この家で切腹します。嫌ならお金を下さい。くれたら帰ります」という犯罪まがいなものであった。

そのことを熟知していた斉藤は、千々岩にこの場での切腹を命じたのだ。




仕方なく切腹に応じる千々岩だったが、先日「刀身」は売り払っていたため、脇差しは「竹」で出来ていた。

そして最後は、竹で切腹を遂げる千々岩。




しばらくの時が経ち、半四郎という名の浪人が斉藤の元へ現れる。




また同じように、切腹してやると半四郎。
だったらすればいい、と斉藤。

しかし実のところ、半四郎は千々岩の育ての親だった。




次第に我が身を明かす半四郎。
そして、千々岩の思いを胸に、斉藤へと問答を開始する。




映画概要


古い松竹映画ですが、この作品はとにかく特殊な作風になっています。





ストーリー展開的にもそうで、普通の「武士映画」であれば、「武士道」を前面に押し出し、「男」とは「日本男児」とは、といったテーマを掲げるところなのですが、この映画は少しそれとは違います。




何が違うのかと申しますと、
半四郎が領主へ問答を始めるところなどは、さながら法廷映画であり、そしてもちろん殺陣もあり、アクション映画としても素晴らしく、
さらにそこへ人情を織り交ぜ、最後はすべてを飲み込んでいく構成が他の武士映画とは異なるのです。




もちろん、これら多様な展開をこなすには演者の技量が必要となりますが、出演者の名前をみてみれば、全く問題ないといいますか、完璧な出来といっても差し支えはありません。




次なる特殊性は、
「武士道」「為政者」もしくは「人間」「会社」、さらに例えれば「無職」「雇用者」という風に、主人公達を言い換えられるところにあります。


「武士道」を持ちながらも困窮にあえぎ、切腹を命じられる千々岩。

「ゆすりたかり」を絶対に許さない領主である斉藤。

その斉藤に子供を殺されたも同然な、半四郎。


この三者の気持ちは理解出来るものですし、そこに正義なるものも存在することは確かです。




では、どちらが正しいのか?
あるいは、どちらも間違っているのか?

そんな疑問を投げかけてくる作風が、この映画の尤もたる特長です。


それはまた、現代でも一緒ではないでしょうか。




双方言い分があり、どちらも経験出来る現代であれば、この映画を観てどう思うのかどう感じるのか、観る人のモラル立場感情感覚によるところが多いでしょう。




そして「人による」ということは、すなわち「良い映画、作品」の条件でもあります。


これはまた、映画だけでなく小説や芸術の類も一緒です。





とまあ、現代風に解釈してみましたが、この映画には当然「殺陣」もありますし、法廷映画的なシーンなどは、自らをどちらの立場に置くか、によって何度でも楽しめるものです。




それに、演者の鬼気篭もった演技は最近の映画やドラマにはないもので、思わず前のめりになってしまう程でもあります。




ここではネタバレしませんが、ラスト付近はたたみ掛けるような展開ですし、ラストも「・・・ああ、そうなのか・・・」という良い意味でのモヤっとした感情も沸き立ちます。






とにかく、「最近のしょっぱい映画では満足出来ねえ!」という方にはオススメですので、どこかで見かけたら是非どうぞ!







その他映画情報


・「アクト・オブ・キリング」  ・「田園に死す
・「YOUNG YAKUZA」  ・「GODZILLA
・「ある戦慄」  ・「カノン
・「ブシドーマン」  ・「空飛ぶゆうれい船
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