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2015年1月31日土曜日

第5回 「そしらぬ煙」


「そしらぬ煙」 第5回







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そしらぬ煙 第5回



「いいからサッサと並べ! おい、客も一緒だコラ! 全員そこで固まってろ!」

 カウンター奥で固まっていた行員達は、各々手を繋ぎながら、あるいは項垂(うなだ)れながらカウンター前へ座り込んだ。また、点々としていた客達も、ダラダラとカウンター前に並んだ。

「おう! それでいい! そういうのがいいんだ俺は。なんつーかよ、それっぽいだろ? 映画みたいだろ? 幻想的だろ? ここが世間じゃないみたいだろ? 嫌なこと色々忘れさせてくれるだろ? だからそういうのがいいんだ」

 俺の口角はどうやら上がっていたらしい。同様に、カウンター前に並んだ人間達もまた、各々微妙な笑(え)みを浮かべていた。そしてそれを確認した俺は、より気分が高揚(こうよう)し、もう一発銃を撃ちたい衝動にかられた。

「いいねー、ああ、いいよ! それじゃもう一発ブッ放しちゃおうかなー? ん? どうだ? ん? お前らもこの非現実的な音を聞きたいだろ? なあそうだろ? コイツがひとたび[バン!]となりゃあ、嫌な世間なんてふっとんでしまうよな!」

 俺は、銃を右手に振り回した。そして、全部で二十人以上はいるであろう並んだ頭達へ、銃口をそれぞれ向けた。

 すると反応は人それぞれで、目を伏(ふ)せるやつ、汗をかくやつ、ジッと睨(にら)むやつ、手をギュッと握るやつなど、十人十色(じゅうにんといろ)だった。それらを視認した俺は、一瞬どこか違和感なるものを覚えたが、『まあいい』と放置を決め込んだ。だがその違和感、これがポイントだった。



2015年1月30日金曜日

第4回 「そしらぬ煙」


「そしらぬ煙」 第4回









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そしらぬ煙 第4回



 俺の家近くにあるこの銀行を襲ったのが祟(たた)ったのか、奇(く)しくも俺の隣に住む男、[竜田(たつた)]だった。

 竜田は、四十二歳で俺より年上。それだけならまだしも、家族もあり、子供もおり、綺麗な奥さんに整った庭まで所有している。世間でいうところのごく真っ当な人間だ。そんな人間がスーツに黒縁メガネの出(い)で立ちで、俺の眼前へと立ち上がる。

「……岸さん、ですよね?」

 瞬間、俺の鼓動が飛び出しそうになる。

「おいてめえ! 名前を言うんじゃねえよバカクソっ!」

「あっ、す、すみません……」

 竜田は、ドブネズミ色のスーツ裾(すそ)をギュッと握り、勢いよくお辞儀した。

「い、いや、あの……、ち、違ったらいいんですけど……その……」

「てめえは死にてえのか! ああ!?」



2015年1月28日水曜日

網葉きよら 「そしらぬ煙」 第3回


「そしらぬ煙」 第3回







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そしらぬ煙 第3回




「あ、あの、岸さま……。それで……車はもうすでに……」

「はあ!? うっせえんだよ美咲! おめえがよ、俺の店潰したんだろ? だからこうなってんだろ? おめえの責任だコラ! どうすんだよなあ!?」

「い、いえ……、ですから……お年寄りとお子様だけでも……」

「知らねえ! 俺、知らねえアハハハハッ!」

「……そう、ですか……」

「てめえもあん時こう言ったよなあ? [私は知りませんよ、あなたの店のことなんて]冷てえ目して言ったよなあ! けど俺の目はどうだ? 輝いてんだろ? そんで今の俺はどうだ? 楽しそうだろ? なあ、楽しそうな目だよなアハハハハッ!」

「あ、あの……サングラスで……」

「おうそうか、忘れてたわ! 今から外すよ――って外すわけねえだろバカ野郎! そんで俺がツッコむ前にてめえがツッコメよガハハハハッ!」

「……は、はあ……申し訳ありません……」



2015年1月27日火曜日

新作短編 「そしらぬ煙」 第2回


新作短編小説 「そしらぬ煙」 第2回







簡単なあらすじ


主人公の岸(きし)は、お金に困っていた。

現実に追い詰められた主人公は、遂に罪を犯してしまう。

――銀行強盗。

自分の店を潰されたことを怨みに思った岸は、奪った拳銃を手に、近所の銀行を襲う。

そして、多額の金をバッグに詰め込み、いざ逃げだそうとすると、外には警官隊が。

どうしようもなくなった岸だったが、目の前の客や行員は岸に対して萎縮していた。

その上、自らの手の中には、それらを破壊出来る「拳銃」があった。

「ああ……そうか……俺は王様だ……」

次第に助長していった岸は、人質1人ひとりの眉間に銃口を当て始めたのだ……。





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2015年1月26日月曜日

新作短編小説 「そしらぬ煙」 第1回


新作短編小説 「そしらぬ煙」 第1回




突然ですが、小説のお時間です。


ってことで、新作短編の掲載です。








網葉きよら 「そしらぬ煙」


こちらの小説は、凡そ13000字で、1ヶ月ほど前に作成したものになります。

よって、全7回くらいの掲載ですね。





例によって、フリガナは(カッコ)として記述。3日連続更新の1日お休み。ところどころイメージ画像を挟んでおります。

画像のほうは、

無料写真素材の「写真AC」様

フリーイラスト素材の「シルエットAC」様

からお借りしています。

2社様には、心よりお礼申し上げます。





それでは、ごゆっくり読んで頂けることを心より願っております。




簡単なあらすじ


主人公の岸(きし)は、お金に困っていた。

現実に追い詰められた主人公は、遂に罪を犯してしまう。

――銀行強盗。

自分の店を潰されたことを怨みに思った岸は、奪った拳銃を手に、近所の銀行を襲う。

そして、多額の金をバッグに詰め込み、逃げだそうとする。

が、外には警官隊が。

どうしようもなくなった岸だったが、目の前の客や行員は岸に対して萎縮していた。

その上、自らの手の中には、それらを破壊出来る「拳銃」があった。

「ああ……そうか……俺は王様だ……」

次第に助長していった岸は、人質1人ひとりの眉間に銃口を当て始めたのだ……。




2015年1月24日土曜日

極貧における食事風景74


極貧における食事風景74 饑餓編その4







饑餓9日目



食料を完全に絶って3日目。


当然、ソースやケチャップも無くなった。
あるのは水のみ。


お腹はベタンコート(元オリックス内野手)で、ベタンと凹んだまま。


視線はままならず、足元も覚束ない。


頭はフワフワし、まるで夢の中


そのついでと言わんばかりに鳴り響く、チャイムのけたたましい音。


すでに箸以上の重さを持つことも出来ず、お腹がグーッと鳴ることもなくなった。


そんな私に残されたのは、この現状を書き残すことだけ。


しかし、書こうにもペンが重くてまともに動かせない。


記憶を留める電気信号も、もはや遅延を繰り返すばかり。


そしてふと思う俺。


「ああ・・・限界だ・・・これ以上は死んでしまう・・・。誰か・・・誰か助けてほしい・・・」



2015年1月23日金曜日

まさに戯れ言。


というか愚痴。




あなたがを運転していたとします。

道は2台がギリギリ通れるほどの細い幅。

待機ポイントは道の手前と中央と奥。

目を細くすれば、遠く一台の白い車が見える。

しかし、向こうの車が中央待機ポイントに到達するより、こちらの方が早く辿り着く距離である。


こんな時どうします?

こちらの方が早めに中央へ辿り着き、そこで待ちますか?

それとも、手前のポイントでじっくりと待ちますか?

いや、一気に走り抜け、のポイントまで移動しますか?


私は基本、面倒くさがりなので、手前で待つタイプですね。
ただ、この場合のように「こうした方がお互いにとって良いだろうな」と感じた時は、そのように行動する原理を持っています。


また、「どの間合いで待つのか」は、人それぞれ違ってくるでしょうから、私も何も言いません

仮に、待った相手に対してのお礼のホーンが無かったとしても、咎めることはありません。


が、無理矢理スピードを上げ、待機ポイント以外の所ですれ違おうとする輩には我慢出来ません。
しかも、わざとらしく嫌な顔をさせながら。


そんな態度を取られた時、私はガッツリこう思いますね。



2015年1月22日木曜日

新書紹介「精神病理からみる現代思想」小林 敏明 著


新書紹介「精神病理からみる現代思想」小林 敏明 著







こちらの新書は1991年初版となり、私が所有しているものは1996年8刷です。




著者

小林 敏明


1948年岐阜県生まれ。
名古屋大学文学部哲学科卒業。
ハイデルベルク大学精神科研究員を勤め、ベルリン自由大学哲学博士となる。
2006年には、ライプツィヒ大学東アジア研究所日本学科教授に就任する。
著書に「憂鬱な国/憂鬱な暴力」「父と子の思想」「風景の無意識」などがある。



2015年1月20日火曜日

電子書籍サイト「メディバン」様に登録させて頂きました!


「メディバン」様に登録させて頂きました!


こちらのブログでもたびたび登場しております「メディバン」様に、このたび登録させて頂きました。


網葉きよらマイページはこちらから


「メディバン」様での登録は、その売り文句どおり、かかる時間が1分程度、さらにマイページの作成も5分ほどと、かなり使いやすい電子書籍サイト様ですね。



また、登録において、自分のフェイスブックアカウントGoogle+アカウントからサクッと行えますし、マイページでの記事投稿も可能です。


印税に関する記載




2015年1月19日月曜日

極貧における食事風景73


極貧における食事風景73 饑餓編その3








饑餓7日目


喧騒に塗れた雑多な音。

それをうるさいと感じた俺は、目をそっと開ける。

するとどうだろう。

チカチカした多動する世間が、さも忙しそうにしている。

「ああ・・・世間は忙(せわ)しないっていうのに、俺は今、何をしているんだ?」

眠い目をこすりながら、両手を地面につけ、立ち上がる。

と、突然、先程までウロウロしていたハズの雑多が、急に閉店ガラガラを決め込み始める。

「お? どうしたんだ? 目の前が真っ暗だ」

地上から浮いていた両手は、また元の地面に逆戻り。

その見えない両手に付着した土を払いながら、ふと思う。

「ん? 俺と世間、どっちが閉店なんだ? どっちが電池切れなんだ?」



2015年1月18日日曜日

「立候補」 映画のお話です。


「立候補」 映画のお話です。





2005年発表の邦画
選挙にまつわるドキュメンタリー作品です。

公式サイトはこちらからどうぞ。


※色々と問題ありそうな映画ですので、人物が特定されるようなキャプチャー画像は避けております。
ご了承下さい。





監督

藤岡利充




出演

マック赤坂

Wikipediaより
















外山恒一

Wikipediaより
















羽柴誠三秀吉 他







<映画 立候補 予告編>




2015年1月16日金曜日

1940年型「休憩」三式陸戦仕様


表題は関係ないですよ、っと。









今月の休憩記事ですが、今回は「アル・ヤンコビック」さんの紹介です。





アル・ヤンコビック

1959年カリフォルニア州生まれのミュージシャン。
主にヒット曲の替え歌(パロディ)で有名となる。
得意曲はマイケル・ジャクソン関連




このヤンコビックさん、向こうのほうではかなり有名な方なんですが、日本での知名度はイマイチです(自己調べ)。


また、替え歌中心ということで、日本であれば「嘉門達夫」さんにあたり(たぶん)、有名曲の歌詞を自分色に染めているミュージシャンでもあります。




笑える曲、演出、歌詞、PVが満載ですので、たまにはこういうのもいいんじゃないでしょうか。


なお、本家の動画も一緒に添付してますので、パロディとの同時再生できっと幸せになれますよ。





2015年1月15日木曜日

「網葉きよら」ブログ記事 累計ランキング 第3回


網葉きよらブログ記事 累計ランキング 第3回






今まで掲載した300以上の記事の中で、上位の10記事をこちらで発表させて頂きます。


各順位に掲載している画像をクリックして頂ければ、該当記事へ飛ぶようになっております。


ちなみに、凡その数字を掲載致しておりますので、ご了承下さい。




第1回ランキング記事こちらから。
第2回こちらからどうぞー。





















2015年1月14日水曜日

極貧における食事風景72


極貧における食事風景72 饑餓編その2







饑餓5日目


うーん、身体が怠いですね。
すでに慢性って感じで、とにかく重いです。


そしてここに来て手の震えが発生しました。
その震えというのも、中毒患者のソレではなく、力が入らないほうの震えです。


手を開こうにも開かず、その場でプルプル
足に力を入れようとしても、筋肉が悲鳴をあげる。




おそらく、体内のグリコーゲンが足りなくなったせいでしょう。


基本、身体を動かすには何かしらの栄養素が必要となります。


つまりは、エネルギーを動力に変えながら生きているということですね。


そのエネルギーが切れたわけですから、
意志が「動け」と言っても、
身体は「サーセンwww電池切れですわwww」となるんですね。


さすがにこの状態では、動こうにも動けません。
1歩前に進むだけでも栄養が必要なんですから、到底無理な話です。



2015年1月12日月曜日

網葉きよら「短、中、長編」発売中です!


「短編」「中編」「長編」小説、絶賛発売中です!


 


短編集

端編集1










すべて100円にてご購入頂け、
販売サイトも3種類ございます。








各電子書籍アプリは、


こちらにて無料インストール可能です。
お気軽にご利用下さい。



2015年1月11日日曜日

電子書籍販売サイト「メディバン」様がグレードアップされてます!



電子書籍販売サイト「メディバン」様がグレードアップされてます!



「メディバン」様 トップページへ



以前、こちらのブログでも紹介させて頂いたのですが、
電子書籍を取り扱っている「メディバン」様が、漫画に特化した戦略を打ち出されています。


2015年1月10日土曜日

極貧における食事風景71


極貧における食事風景71 饑餓編その1






こちらのシリーズは、全4回を予定しております。




ってことで、表題そのままについての記事になるわけですが、ぶっちゃけ饑餓は相当キツイです。


実質9日間ほど、水とソースとケチャップと砂糖だけで過ごしたんですが、最後の方はほぼほぼ死んでました。


でも、タダでは死にません。
次第に衰えていく肉体と精神について、詳細なメモを取ってましたので、それをこちらで記事にしていきたいと思います。



では、さっそく本題に入っちゃいますね。


2015年1月8日木曜日

新書紹介「キリスト教の人生論」桑田 秀延 著


新書紹介「キリスト教の人生論」桑田 秀延 著




こちらの新書は1968年初版となり、私が所有しているものは1994年45版です。




著者

桑田 秀延


1895年、香川県に生まれる。
アメリカに渡り、ハーバード大学を卒業。
東京神学大学学長、フェリス女学院院長などを歴任し、
80歳で亡くなる。
著書に、「弁証法的神学」「我れ信ず」「キリスト教の本質」などがある。



2015年1月7日水曜日

小説家「田中せいや」さんのちょっとしたまとめ。


小説家「田中せいや」さんの、ちょっとしたまとめ。



こちらのブログではもうおなじみの、「田中せいや」さんですが、現在さまざまな小説を発表されております。


今まで紹介させて頂いた記事は、主にBCCKS様での取り扱い電子書籍でしたが、
別の電子書籍サイト様でも販売されておりますので、当方ブログにて勝手にまとめさせて頂きました!



「田中せいや」さん、AMAZON著者紹介へ

といっても、BCCKS様の電子書籍ページ下部に、

「この本が売られているサイトの一覧」

が表示されるようになりましたので、そちらからアクセス頂くのが一番だったりします。


にしても、これは非常に便利な機能ですね。
一気に範囲が広がりました。

私も後日、BCCKS様へお世話になろうかと思っております。




2015年1月6日火曜日

電子書籍2014年を振り返る記事と、戯れ言。


電子書籍2014年を振り返る記事。





記事で振り返る「2014年の電子書籍市場」(定額読み放題編)
ITmediaさまより

ITmediaさまの記事へ




記事で振り返る「2014年の電子書籍市場」(書店連携編)
ITmediaさまより

ITmediaさまの記事へ




記事を閲覧すると、2014年の電子書籍市場では、さまざまな出来事が起こっていたようです。


もっとも、私は2014年からの参入組で、右も左も分からないぺーぺーでしたので、電子書籍の全体的な方向性や枠組みまで把握出来ずにいました。


ですので、「定額読み放題」の流れにも遅れをとってしまったわけですが、今からでも遅くはないかなと個人的に感じておりますので、私も遅ればせながら利用させて頂こうかなと思っています。



2015年1月4日日曜日

今日は雑談。


お正月だし、決意などを少々。





いやあ、寒いですね。

とまあ、この記事を書いているのは、2014年12月26日だったりするわけですが、とにかく寒いです。


私の懐具合も当然お寒いわけなんですが、お陰様で電子書籍の方はポツポツ売れております。


現段階では、ごくごく閉鎖的なブログ、販売戦略をとっているのですが、本年度は外部へ出ようかと思っている次第でございます。


と共に、各賞へ小説を送り出し(もちろん新作)、インディー活動メジャーへの階段双方を取り組んでいきますので、てきとーかつマッタリとご期待下さい。




無料立ち読みコーナーを変更しましたー!


短編小説立ち読みコーナー変更のお知らせ。






ブログ右枠にある「網葉きよら短編小説丸々1本立ち読みコーナー」を変更致しました。


端編集1」に収録されております「普遍的世界におけるたった1つの例」から、
「コキョウ」に変更完了です。


※推奨ブラウザは、「Chrome,Safari」となります。




こちらの小説に関する詳しい情報は、私のブログ記事を閲覧下さい。


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今年もよろしくお願い致します!


今年もよろしくです!





あけましておめでとうございます!



ブログを始めて1年が経ちました!

これも皆様が懇意にして頂いたおかげです!

どうもありがとうございます!

そして、本年度もよろしくお願い致します!





※捕捉

お正月はコメントの返信が遅くなります。
ご了承下さい。


※追記
というか、記事更新スケジュールミスでした。
すんません><




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