過去記事ランダム

2015年3月31日火曜日

極貧における食事風景80


極貧における食事風景80 劣悪下における五感 その5







最終回は、「触覚」についてです。



といっても、劣悪下における身体的変化は、今までの記事にて取り上げておりましたので、特別な何かを発表するわけではありません。


それに、「触覚」自体あまり変わりがないといいますか、少し鈍感になるくらいで、期待される程の変化はございません。


ですから今回は、「触覚」というより身体全体についての記事となります。


その身体ですが、もちろん栄養が不足すれば、必然的に身体は衰え、足腰が弱くなるのは事実です。
またそれは、耐え難いものでもあります。


が、ある種の「希望」なる存在が見えて来るのもまた事実。



では、身体的希望とは?



2015年3月29日日曜日

ブログ投稿小説のまとめ。



網葉きよら投稿小説のまとめ。




各種携帯電話から閲覧されている方も多いので、
このあたりでざざっと自作小説をまとめてみます。


電車で出勤中に、あるいはお暇な時にでも読んで頂ければ幸いです。


なお、記事中の画像をクリックして頂くと、各小説に飛びますのでよろしくお願い致します。







月刊群雛2014年3月号掲載作品

ありったけのマーマレード(序盤のみ掲載)


第一話へジャンプ


2015年3月28日土曜日

最近のTVドラマって・・・。


最近のTVドラマってどうなんすかね。







ぶっちゃけ、私好みのは皆無ですね。


出来ればハードな内容、もしくは純文学的な作品が見たいのですが、残念ながらほとんど見かけません。


以前、「MOZU」というドラマがありましたが、こちらはどこかアメリカ産ドラマを彷彿とさせており、思わず「おおっ!」となったのを覚えております。


しかし、展開とオチがチープで萎えてしまった、という現実も同時に思い出します。


公式サイトへ


2015年3月27日金曜日

電子書籍における「合本」の問題点とか。


電子書籍における「合本」の問題点とか。


記事元「INTERNET Watch」様の記事へ




INTERNET Watch様より一部引用


 一部の電子書籍ストアで最近よく見かけるのが、もともと複数に分かれていた紙の本を1冊にまとめた、いわゆる「合本」。ページ数に制限がない電子書籍ならではのコンテンツだが、電子書籍化にあたって最低限の編集しか施されないため、オリジナルの要素がうまく反映されていないとの指摘も少なくない。 
 そのひとつが表紙で、元の表紙には巻数などが明記されているためそのまま流用することが難しく、結果として独自の画像にテキストでタイトルと著者名だけを記したり、あるいは元の表紙画像をただタイル状に並べただけだったりと、やっつけ感があふれている場合もしばしばだ。




簡単にまとめますと、巻数の多い単行本を一冊の電子書籍にする際、適当かつやっつけ仕事的な作業を行っている、ということです。



2015年3月25日水曜日

極貧における食事風景79


極貧における食事風景79 劣悪下における五感 その4







今回は「味覚」についてです。


過去2回の記事とは異なり、味覚に関しては、ごくごく簡単な記述となってしまいます。


というのも、身体的な変化の詳細を事細かにメモしているわけではありませんので、当時あった出来事や顛末を書き残すくらいしか出来ないからです。


ですので、私から言えることは、
劣悪下における味覚は、確かに変化するが、たいした変化ではなく、ありふれたものである。
これだけです。


ではその変化とは?



2015年3月24日火曜日

田中せいやさんの「箴言集」発売中ですよ(無料立ち読みアリ)


田中せいやさんの「箴言集」発売中です(無料立ち読みアリ)


BCCKS「田中せいや箴言集」

BCCKS様では配本先リンクも




目次抜粋(一部)


箴言


 :一般

 :ニッポン人の定義

 :やくざの定義


ショートショート


 :定年まぢかの田中さん

 :あのクソ部長

 :万華鏡 


他、計17編の短い物語




さまざまな箴言ショートショートが、この一冊にギュッと詰まってます!


どこから読んでもサクサク頂けますので、通勤や通学のお供に是非どうぞ!


また「ブックパス」様では、読み放題プランもございますので、お気軽にご購入頂けます。
詳しくは、ブックパス様のサイトまで。


ブックパス様のサイトへジャンプ


2015年3月23日月曜日

マイベスト映画、五選。


マイベスト映画、五選。


映画記事も少々マンネリ状態ですので、
ここでマイベスト映画の紹介でも。









監督

デヴィッド・フィンチャー



出演

ブラッド・ピット

エドワード・ノートン

ヘレナ・ボナム=カーター 他




簡単なあらすじ


主人公の「僕」は、リコール会社に勤める普通の会社員だった。

ブランド品を購入する生活を営んでいた主人公だったが、日々訪れる不眠症に悩まされていた。

そんなある日、いつものように飛行機へ乗っていると、「タイラー・ダーデン」という不思議な男と出会う。

その男は、石鹸会社の社長だという。

とりあえず彼と別れた主人公だったが、自宅マンションに戻ってみると、自分の部屋が物理的に爆破されていた。

ふと自分のポケットを漁ってみれば、「タイラー」の名刺が。

どうしようもなかった主人公は、タイラーに電話して、直接会うこととなる。

だが、タイラーの言動はどこか奇妙だったのだ。

「おいお前、俺を殴ってくれよ! 思いっ切り殴ってくれ! いいから殴れよ!」

タイラーの口から放たれた言葉に、主人公は次第に飲み込まれてゆく。

と同時に、これが「ファイトクラブ」誕生の瞬間でもあったのだ。



<映画 ファイトクラブ 予告編>



2015年3月21日土曜日

極貧における食事風景78


極貧における食事風景78 劣悪下における五感 その3





今回は「聴覚」についてです。




早速本題に入りますが、
聴覚に関しても、前回記事同様、突然シャットダウンしてしまいます。


といっても、私の場合は片方の耳だけでした。


この症状をググってみますと、
突発性難聴」という言葉が多数ヒット致します。




突発性難聴(Wikipediaより一部引用)

 突然に原因不明な内耳性の感音性難聴が発症する疾患である。
 ある程度の時間をかけて徐々に難聴が進んだようなケースは突発性難聴ではない。 
 随伴症状として耳鳴りや耳閉憾を伴うことが多く、半数程度の患者は発症の瞬間には強いめまいを伴うが強いめまいは1回だけであり、強いめまいを繰り返したらほかの疾患の可能性を考える。
 原因は不明であり、かつ原因が不明であることを本症の定義とする。したがって単一の疾患とは限らず、突発性・原因不明を条件とした感音性難聴を一括した疾患群である。
 発症は突然であり、患者は難聴になった瞬間を語ることができるほど突発的である。(たとえば「朝、起きたら」とか、「図書館に行く前はなんともなかったのに、図書館から帰ってきたら聞こえが悪くなっていた」とかである。)



2015年3月20日金曜日

日本の活字離れについて(電子書籍含む)。


日本の活字離れ(電子書籍含む)。



先日、文化庁が実施した「読書に関する調査」結果が、発表されました。

「CNET Japan」様の記事へ


記事一部引用


「1冊も本を読まない」…47・5% 文化庁調査で「読書離れくっきり」 

“文化庁が実施した「国語に関する世論調査」によれば(中略)平成21年実施の前回調査に比べ、1冊も読まない割合は1・4ポイント増加、14年実施の前々回調査からは10ポイント近く増加しており、日本人の読書離れが浮き彫りになった格好だ。  
(中略)文化庁関係者は「21年実施の調査で国民の読書量の減少が明白となったが、その後も改善されていない」と憂慮する。” 

 月刊誌「新潮45」(新潮社)2015年2月号は、「出版文化こそ国の根幹である」という大特集を組みました。冒頭、「国家の品格」で有名な作家で数学者の藤原正彦氏は、文化庁の同じ調査を踏まえて、こう語ります。
「読書と教養」が国民の大局観を育てる。 
“先日テレビで、一カ月に一冊も本を読まない人が47・5%という文化庁の調査結果が出ていました。(中略)この傾向はいつ頃から始まったのか。私は、1997年が大きな転換点だったと思います。 
(中略)この頃、携帯やインターネットが普及してきました。そんな時期に人々は、本から携帯、ネットへと乗り換えていったのです。特に若い人たちのあいだで、ネットで情報を得ていれば、別に本を読まなくても済む、という感覚が広がった。”




2015年3月19日木曜日

極貧における食事風景77



極貧における食事風景77 劣悪下における五感 その2






今回は「嗅覚」についてです。

なお、極貧系記事は、タグ検索「極貧」にて一覧表示されます。
こちらも併せて閲覧下さい。








ということで、本題に入ります。



動物には総じて「嗅覚」がそなわっています。


ライオンしかりネズミしかり人間しかり、その反応度は様々で、鈍感から敏感まで多種多様です。


また、嗅覚の使用用途も色々で、
肉食動物であれば獲物を捕らえるための手段として、
草食動物であれば危機の察知として有効的に機能します。


では、現代における人間の場合はどうなのか?


現代社会(主に先進国)では、獲物を捕らえたり狩猟動物から逃れようとする行為はほぼありません。


あるのは、社会生活そのままです。


しかしながら、人間もいざ劣悪下に陥ってしまえば、そこに「獲物」「狩猟者」の概念が如実に発生してしまうものなのです。



2015年3月17日火曜日

休憩さもありなん。


毎月恒例の休憩記事。






今月の休憩ネタは、「鈴木彩子」さんの紹介です。





「SAICO」と名前を変えつつ、現在も活動されているミュージシャンです。

1972年宮城県生まれの女性シンガーソングライターで、1990年「独立戦争」にてデビュー。

淡い青春ソングや、人間味のある歌を主体とされており、その類い希なる歌声は、女性版「尾崎豊」を彷彿とさせる。

代表曲に、「HELP」「情熱」「迷子の子猫」などがある。





2015年3月15日日曜日

極貧における食事風景76


極貧における食事風景76 劣悪下における五感(その1)







ということで新シリーズになりますが、こちらは全5回を予定しております。


ところどころ不備があるかと思いますし、何より個人的な体験、感想に基づいておりますので、その点をご容赦頂ければ幸いです。




ではまず最初の1回目ですが、今回は五感における「視覚」についての記事となります。


主題としましては、「劣悪状況下における五感の変化」ということになりますが、前提として「人間の五感」を説明しなければなりません。



五感

人間や動物に備わっている感覚機能で、
「視覚」「聴覚」「嗅覚」「味覚」「触覚」の5種類のことをいいます。

これらは、Wikipediaによると、
古代ギリシアのアリストテレスに端を発しているそうで、昨今においても広く頒布されている分野となるそうです。




2015年3月13日金曜日

<戯れ言>小説の公募に作品を出そうかな、と。


<戯れ言>小説の公募に作品を出そうかな、と。



調べてみて分かったんですが、作品を応募するにしても、さまざまな賞レースがあるようですね。


どのような賞レースが存在しているのか、自分用のまとめも兼ねて、こちらに掲載しておきます。


というかむしろ、その手のまとめサイトさんを利用するのが一番でしょうね。


公募まとめサイト「公募猫」様


「小説総合情報サイト」様


「Wikipedia」公募一覧




とりあえずこちらだけあれば、なんとかなりそうです。



2015年3月12日木曜日

短編小説無料立ち読みコーナーを変更しました。


短編小説立ち読みコーナー変更のお知らせ。




ブログ右枠にある「網葉きよら短編小説丸々1本立ち読みコーナー」を変更致しました。


端編集1」に収録されております「ほんの些細なスイング」から、
「春を思う期節」に変更完了です。

※推奨ブラウザは、「Chrome,Safari」となります。




こちらの小説に関する詳しい情報は、私のブログ記事を閲覧下さい。


該当記事へジャンプ


また、Android,iPhoneから閲覧されている方は、
「ウェブバージョンを表示」からご一読下さい。


さらに、各種ニュース気になる話題は、Google+」の方に随時掲載しておりますので、どうぞよろしくお願い致します。


なお、「ツイッター」「フェイスブック」は扱っておりませんので、ご了承下さい(私の力量不足により)。



「網葉きよら Google+」へ移動




短編小説「春を思う期節」は、
ただいま絶賛発売中の「端編集1」に収録されております。


端編集1」は、100円にて販売しておりますので、ご購入頂けると大変ありがたいです!


AMAZON 「端編集1」へ


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2015年3月11日水曜日

SNSに投稿された内容が電子書籍になるそうです。


SNSに投稿された内容が電子書籍になるそうです。


「ITmedia」様の記事へジャンプ




記事元 一部引用

 活用例としては、食品・調味料メーカーではSNSで投稿された商品の感想やレシピを書籍化して利用促進を促す、自動車メーカーではドライブスポット/所有者の声/車種の走行シーン動画など生活者の投稿と商品情報をまとめた電子カタログの配布、地方自治体では観光客の感想や、写真・動画を活用した体験や地元のお勧めスポットをまとめたローカルガイドブックの提供、家電メーカーでは商品の活用方法やプロのテクニック動画、投稿キャンペーンでの応募作品などを写真アルバムにするといったものが考えられる。




これはどうなんでしょうか?


我々のようなインディー作家にはあまり関係のないお話ではありますが、一応電子書籍関連ニュースにはなります。


にしても、ツイッター等に投稿した商品レビューを電子書籍化するという事ですが、これって本当に意味があるんですかね。


それに、著作権問題も絡んできそうですから、なんとも難しいのではないかと個人的には思います。


ですが、企業さん側からしたら、何かしらうま味のある事業なんでしょう。
そうでなければ、普通やりませんからね。


画像は「ITmedia」様より


2015年3月9日月曜日

「わらしべ弱者 最終回」


網葉きよら小説「わらしべ弱者」 最終回






全12回の予定でしたが、文字数的に全13回となってしまいました。
その点ご了承下さい。






簡単なあらすじ



主人公の「テルヤス」は、盆地内にある小さな町に住んでいた。


そこでの生活は、特別何かがあるわけでもなく、楽しみはパチンコをするくらいなもので、とても質素だった。

「さて、今日はどうしようかな」

無職なテルヤスは、母の小言を避けようと家から出ることに。

が、お金が少ししかなかった。

「仕方がない」と、近所の山に登ることを思いつく。

その前にコンビニで「食料と飲み物」を購入し、軽く舗装された山道へ足を進める。

とそこに、自殺しようとしている「おじさん」がテルヤスの目の前に現れた。

「なあ、死ぬ前にその食べ物俺にくれないか?」

テルヤスは、言われるまま食べ物を差し出した。

すると、おじさんは首つり用の「縄」をテルヤスの手に渡す。

持っていた食べ物は大きな縄に変わってしまったが、テルヤスの当初の目的「山頂でゆっくりする」までは変わっていなかった。

そして、その足を山頂へと向ける。

しかし、今度は友人の「ムッシー」が車に乗って現れる。

「その縄くれよ! 車の荷台に取り付けたいんだわ。代わりにコレやるから」

テルヤスが手にしたものは・・・・・・






記事一覧


第1回 第7回 最終回
第2回 第8回
第3回 ・第9回
第4回 ・第10回
第5回 ・第11回
第6回 ・第12回





わらしべ弱者 最終回



 音を立てないよう、彼に気を遣いながら、忍び足で近付いた。

 彼を運ぶと言っても、距離的にはすぐだ。彼が寄りかかっている大きな古い木、その裏一m程の所に、お墓の予定地が空いている。引き摺(ず)っていけば、ものの五分で終わる程の距離だ。

 僕が、いや、彼が寂しくないよう、あの童謡を何度も何度も口ずさみながら、お墓との位置関係を測った。

[かごめかごめ
 かごのなかのとりは
 いついつでやる
 夜明けの晩に
 つるとかめがすべった
 後ろの正面だあれ]

 歌が終わると、手を合わせ、一つお辞儀をした。

 そして、彼の肩を抱こうと手を伸ばした時、首の部分に見た事のある何かが巻いてあった。

 ――タオルだ。

 彼女の、サッチーのタオル。あのヤクザさんに渡した、色々染みこんだタオル。しかし今は、彼の口から垂れるどす黒い何かが、ハッキリと染みこんでいた。

「……もう使えないな……」

 いったい僕は何に使うつもりだったのだろう? だが今はもう忘れた。

 忘れたものは仕方がない。それより今は――作業だ。

 しかし、作業に掛かろうとしたその刹那(せつな)、木に寄りかかって座っていたはずの彼が、ズルッと滑り落ち、地面へうつ伏せになってしまった。

 彼が滑った時点で、先程まで僕が抱えていた難問に目処(めど)が立つ。[鶴と亀がすべった]の意味が、ここへ来てやっと分かったのだ。

 あの万年筆が語っていた通り、[鶴と亀]は長寿の証。その証が[滑る]という事は、滑って無くなる、長寿がなくなる、つまり彼同様、[死]って意味だろう。

『なんだ、そんな事か。そんな簡単な事に僕は悩んでいたんだな……。なら、次の[後ろの正面だあれ]というのはどういう意味なんだろうか?』

 不自然に身体を揺らしながら、しばらくの間答えなるものを探していた。





2015年3月8日日曜日

網葉きよら中編「わらしべ弱者」 第12回


網葉きよら小説「わらしべ弱者」 第12回






全12回の予定でしたが、文字数的に全13回となってしまいました。
その点ご了承下さい。






記事一覧


第1回 第7回 最終回
第2回 第8回
第3回 ・第9回
第4回 ・第10回
第5回 ・第11回
第6回 ・第12回





わらしべ弱者 第12回



 僕は重い腰を上げ、尻に付いた土を払うことなく、中央右側に落ちていた懐中電灯を拾った。

 まずは辺りを照らす。鬱(うっ)そうとはしているが、後ろを向けば、まだ公園内の電灯が確認出来る。そして確認出来るという事は、多少光が差し込んでいるという事だ。その薄い光に当たった、大きな木の下にへたり込んでいる中年の男性。顔までは見えないが、どうやら死んでいるらしい。

「確かめなくては。本当に僕のせいなのか、確かめなくては」

 線状のライトがブレている。僕の心情を如実に現した結果だろう。

 ここは身体で押さえるしかないと判断した僕は、軽い懐中電灯を両手でガッチリ掴み、地面と水平に、右から左へと照らしていった。

 小さな木、そして空間、密集している草、さらに小さな木、深い空間があって、赤白の斑(まだら)シャツ。

 ――いた。やっぱり存在した。ボロボロになったシャツは、心臓の部分に黒い大きな穴が開いている。

『……そうか……。やっぱり僕が……、僕の拳銃で……。ああ、なんて事をしてしまったんだ……。人を……、人を殺してしまった……。

 意志は無かった。殺す意図は無かった。いや、殺人者は皆そう言うのかもしれない。だけど、僕に限って言えばそれは本当だ。本当に殺すつもりなどなかった……。だけど、死んじゃった……。僕の拳銃で……。

 拳銃……。僕の指紋が付いた、真っ黒い拳銃……。あれを彼らに持って行かれた……。捨てるとは言ってたけど、もし警察にでも見つかったら。そして、この死体の弾痕(だんこん)と照らし合わされたら……。間違い無く死刑だ。

 ああ、なんて事だ……。死ぬんだ……、死刑で死んでしまうんだ……。だけど、どうせ死ぬんなら、今、自分で……。そう、今から……、その方が他人を煩(わずら)わせなくて済むし……』

 ――ワウォーーン! ウォンッ!

 野犬が二つ吠(ほ)えた。それに呼応して、虫達の羽ばたく音が辺りを取り囲んだ。

 この林はどうやら賑(にぎ)わっている。だが、その中に僕の味方は一人もいない。今は、両親ですら僕を犯罪者扱いするだろう。そう、この場所には誰もいない。あの時と状況は一緒だ。なら、答えは二つしかない。

[自殺するか、死体を隠すか]だ。





2015年3月7日土曜日

中編小説「わらしべ弱者」 第11回


中編小説「わらしべ弱者」 第11回





全12回の予定でしたが、文字数的に全13回となってしまいました。
その点ご了承下さい。






記事一覧


第1回 第7回 最終回
第2回 第8回
第3回 ・第9回
第4回 第10回
第5回 ・第11回
第6回 第12回





わらしべ弱者 第11回



「……ウウッ……ゴボっ!」

 遠くに真っ黒な水の流れが見えた。ひとすじの煙に塗(まみ)れたその水は、幻想的な噴水のようでとても綺麗だった。

 しかしその噴水は、あろう事かボロボロな男の口から汚く放出され、胸のどす黒い水と共に、木の根っこへと溢れんばかりに供給されていた。

 何が起こったのか正直よく分からない。一瞬、大きな虫が目の前を飛んだかと思うと、ビックリして身体に力が入り、手にしていた拳銃を地面に落としてしまった。ただそれだけだ。それ以上でもそれ以下でもない。本当にそれだけだ。

 落としたはずの拳銃は、いつの間にか消えていた。どこへ行ったのか、辺りに答えを求めてみると、タオルの男が黒手袋の上から拳銃の先を持ち、大きな木の下に佇んでいた。

『ああ、取られちゃったのか……。くそう……もう駄目だな……。拳銃がなければ僕は単なる人間だ……。精巧な道具がなければただの駄目人間だ……。
 このままじゃ殺されるだろう……だけど仕方ない……、何も残ってないんだから……。
 それに、回りの人間が何か言っているけど、僕には全く聞こえない。今すぐにでも逃げたいんだけど、ガタイが良い奴に胴体を占拠されている。
 これでは無理だ。いくら足掻(あが)いても、いくら棒きれがあったとしても、その程度では到底無理……諦めよう……。仕方ないんだ……』

『お母さん、お父さん、すみませんでした……。こんな所で申し訳ないです……。こんな人間に生まれて死んで、すみませんでした……』

「本当にすみませんでした……」





2015年3月5日木曜日

網葉きよら小説「わらしべ弱者 第10回」


中編小説「わらしべ弱者」 第10回






記事一覧


第1回 第7回 最終回
第2回 第8回
第3回 ・第9回
第4回 第10回
第5回 ・第11回
第6回 第12回





わらしべ弱者 第10回



 木々に揺れる影が三つ、いや、その奥にも一つ。合わせて四つの物体が、もぞもぞ蠢(うごめ)いている。その中の一つ、一番左にいる物体、僕はどうやらこれに出会った事がある。

 がに股でストライプスーツ、黒手袋に派手なネクタイ、そして細く鋭い目つき。そう、あの[タオル]の人だ。それが判明したと同時に、その他三つの形骸(けいがい)が明らかとなった。

 中央にいる人間。背は小さいが、こじゃれたスーツの上からでも恰幅(かっぷく)の良さが分かり、ここからの角度では顔までは見えないが、その広い肩幅からして、かなりの腕力を発揮しそうな、パンチパーマを備えた人間だ。

 そしてその右隣。白髪交じりの中年で、中肉中背だが、その分目つきは鋭く、僕が睨まれようものなら一瞬にして白旗を揚げてしまいそうな、そんな眼光が、懐中電灯の機械的なライトに照らされていた。恐らくこの三人の中で、一番年上であり、一番権力を持ち、一番凶暴であろう。

 そしてそれら凶悪な雰囲気を発する三人の奥、大きな木の前にへたり込んでいる中年の男性。服はシャツ一枚と下着のみ。ボロボロに破かれたズボンは、その傍(そば)へと散乱している。顔は浅黒い痣(あざ)だらけで、髪の毛なんかは、乱れすぎて逆に整っているかのようにも見える。明らかにその他三人とは立場が違い、劣悪な状況に立たされている事は、経験不足の僕からしても確かな事象だった。

『えっ? もしかして、ムッシー? 缶コーヒーあったし……、ムッシーでは?』

 左のタオルさんと中央の肩幅さんが手に持つ懐中電灯の光が、へたり込んでいる男性へと集中的に浴びせられている。

『い、いや違う。ムッシーじゃない……。良かった…、違って良かった……』

 一瞬ドキッとしたが、ムッシーではなく、よく知らないおじさんのようだった。そんなボロ雑巾(ぞうきん)のおじさんに、一番右のボスが、しゃがみ込んで何かを話しかけているのが見て取れた。

『……ムッシーじゃないにしても、これは、ああ、これはヤバイな……』

 遠くのボロ雑巾と手元の武器を交互に見つめる。

『……いや、無理だ』

 先程までの威勢は、目の前の悲惨な現実へと吸い取られ、僕の中に残ったものはただ一つ、[恐怖による現実からの逃避]だった。

 それは、以前のどうしようもない僕となんら変わらない感情だった。






2015年3月4日水曜日

第9回「わらしべ弱者」


中編小説「わらしべ弱者」 第9回








記事一覧


第1回 第7回 最終回
第2回 第8回
第3回 ・第9回
第4回 第10回
第5回 ・第11回
第6回 第12回





わらしべ弱者 第9回



 山道へ戻る最中、僕は常にある事を考えていた。

『これからどうしようか?』ただこれだけだ。勿論、選択肢はいくらでもある。思いついたものから挙げていけば、
[山から出て、拳銃を警察へ持って行く][今すぐ拳銃を捨てて、今まで通り山頂を目指す][拳銃を持ったまま、とりあえず山頂を目指し、後から警察へ向かう][拳銃を自分の持ち物とし、今すぐ家へ帰る]
様々だ。

 この中から僕が選んだ選択肢は、[拳銃を持ったまま、とりあえず山頂を目指し、後から警察へ向かう]だった。他のどの選択肢よりも幅が広く、尚かつ、自分の当初の予定を完遂出来、それでいて、拳銃を届けるという善意すら与える事が出来るからだ。

 一先(ひとま)ず山岸を出て、元いた山道へと帰還(きかん)した。

 戻ってみると、ゆるいアスファルトで固められた地面が、何故か僕を苛立(いらだ)たせ、再考を決め込むつもりだった選択を、決定事項へと昇華(しょうか)させた。

 回りは誰もおらず、辺(あた)りはすでに薄暗い。こうなってしまっては、もう紅葉など楽しめる時間ではない事は確かだ。だが、僕は山頂へと向かわなければならない。何故なら、そう決めたからだ。他に理由はない。もし、他に理由があるとするなら、ドーナツがまだ存在する事と、拳銃を持った自分は、縄を持っていた自分より遙(はる)かに優れ、今なら何でも出来る人間だと思い込んでいたからだ。だから、直に警察へと向かうのではなく、一旦自分の欲望を完遂した上で、それから公共へ。

 それが僕の出した答えだった。そして同時に、ある感情に包まれることとなる。





2015年3月3日火曜日

第8回「わらしべ弱者」


中編小説「わらしべ弱者」 第8回








記事一覧


第1回 第7回 最終回
第2回 第8回
第3回 ・第9回
第4回 第10回
第5回 ・第11回
第6回 第12回




わらしべ弱者 第8回



 チケットかあ。しかしまあ、彼女は既婚者(きこんしゃ)だ。どうするか……。急に誘うのもなんと言うか、不躾(ぶしつけ)だしなあ。やっぱ、彼女のタオルの方が良かったかなあ……。けど、今更あの怖い兄さんに「返して」なんて言えないし、どこへ行ったかすら分からない訳だし……。

 それにしてもあの人、なんでタオルなんかが欲しかったんだろう? 汗拭くなら、スーツの袖でも使えば良かったのに。まあ、あまり深く考えても仕方ないか。彼は彼なりに理由があったんだろうから。

 そうだ、僕にもそれなりの理由があった。

 彼女との、サッチーとの未来、だ。

 いやまあ、旦那さん、山ちゃんに失礼かとも思うけど、……でも、山ちゃん、だよなあ。少々は大目に……。そうだ、少しくらい大丈夫だ。たまには違う男との接点も必要だろう。それに、サッチーを取って食ってやろうって訳じゃあない。訳じゃあ……ない……よな? うん、そんな事は、ない。だから、だから大丈夫。山ちゃんも笑って許してくれるはず。よし! 今度銀行に行って、誘ってみよう!

 僕は、チケット二枚をコンビニ袋に入れると、足早(あしばや)に歩き出した。時間はすでに十六時を回っている。早いところ登り切って、このドーナツを平らげなければならない。しかし、足早になってしまっている事に、僕自身は全く気が付いていなかった。

 それに気付かせてくれたのは、青いランニングシャツを着た、爽(さわ)やかな好青年だった。

「こんにちわー」

「あっ、こ、こんにちわ」

「もしかして、あなたも私と同様、競歩(きょうほ)の選手ですか?」

「へっ?」

 見るからにイケメン。誰がどう見てもイケメン。そんな青年が、わざわざ足を止めて、僕みたいなヘタレに話しかけている。

「いえ、あなたの足取りがですね、競歩の正式なフォームに似ていたもので……」

「あっ、いえ違います。これは単にクセというか……、えーと、僕急いでいるんで……」

「……ああそうですか、それは失礼しました――では」

「ええ、はい……」

 僕とは全く正反対の青年は、決してブレる事のない軸を見せつけながら、山道を下っていった。







2015年3月1日日曜日

第7回「わらしべ弱者」


中編小説「わらしべ弱者」 第7回







記事一覧


第1回 第7回 最終回
第2回 第8回
第3回 ・第9回
第4回 第10回
第5回 ・第11回
第6回 第12回





わらしべ弱者 第7回



『タオルタオル。フフフフッ。タオル。そう、タオル。いいなあ、いいねえ。彼女の、好きな人のタオル。変態? 違う違う。普通普通。健全な青年の証。フフフフッ』

 僕は、タオルを首に巻き、何度も何度も汗を拭(ふ)くフリをしながら口元へ当てた。

 最中、どこかで鳥の大きな鳴き声がしたが、全く気にならなかった。

 そんな事よりも、このタオルだ。彼女の匂いであれば、何でも良い匂いだ。洗うなんてとんでもない。保存。思いっ切り保管。そこからの使用。色々夢が広がった。良い日だ。今日は特に良い日だ。

 あっそうだ、彼女は結婚したんだっけ……。いやでも、銀行にいるって言ってたな。そうだ、今度行ってみよう。銀行に用事は全くないけど、この際カードをいっぱい作って、彼女に認めてもらおう。

 邪(よこしま)な思いをタオルで拭き取りながら、僕は山道を登った。

 時間はすでに十五時四十五分だ。今日は人とよく出会うが為、かなりスローペースでの登頂となってしまっている。だが、それでいい。他に何もする事がない僕だ。こういう偶然が重なる日があっても、悪くはない。

 しかし、そんな偶然も、良い偶然と悪い偶然があるという事実に、残念ながら気付いてしまった。

 左右の木々が、秋風に大きく揺られた瞬間だった。

 坂の上から、何かがドタドタ下りてくる音がしたのだ。その音は、がさつで卑猥(ひわい)、無愛想で均衡(きんこう)を失った音に聞こえた。

 そしてその音は、僕の目の前でぎこちなく止まると、強気なしゃがれ声となって襲いかかってきたのだ。