過去記事ランダム

2015年5月31日日曜日

「網葉きよら」の電子書籍、発売中です。


宣伝日にて恐縮です。


今回は、いつもよりちょっと早い宣伝日にて失礼します。
新作小説の公開が控えておりますので、少々早めの更新となってしまいました。




 


短編集

端編集1










すべて100円にてご購入頂け、
販売サイトも3種類ございます。



2015年5月30日土曜日

文章力がある、ないってどういうことなの?


文章力がある、ないってどういうことなの?








世間では、小説を読んだ時によく言いますよね?

「この人は文章力がある」
「コイツは文章力がない」

と。


じゃあ、その基準というものは存在するのでしょうか?
いわゆるラインというやつです。



2015年5月28日木曜日

極貧における食事風景87


極貧における食事風景87 狭間から見え隠れするもの その5







世間の狭間。




中途半端な立ち位置で生活を営んでおりますと、ある種の恐怖を覚えることがあります。


ビル群のほうではしっかりとした社会があり、またホームレスさんのほうでも社会は存在する。


どちらかに所属していれば、ある程度の我慢をしつつ有意義に過ごせるのでしょうけども、どちらにも身を置いていないとなれば、それは狭間です。


この狭間は、マリアナ海峡のごとくかなりの深さを誇り、一度そこへ足を踏み入れたならばグイグイと沈んでしまう場所でもあります。


そうなると当然、足掻こうと藻掻こうとするのですが、海峡の深さは相当で、また自身の身体に重りも付属しているため、あれよあれよという間に海峡へ取り込まれてしまいます。



2015年5月27日水曜日

日本の電子書籍事情。


世界から見た日本の電子書籍市場。



CNET JAPAN様にて、
日本は電子書籍の「後進国」なのか?--米国との差を「刊行点数」から推定
という気になる記事がございましたので、紹介させて頂きます。


「CNET JAPAN」様の記事へ



一部引用


 世界の「ビッグ5」出版社の刊行点数を合計すると約19万点。日本の「ビッグ7」は約9万点。およそ半分弱ですが、対象(英語話者の人口は最大20億とも30億とも言われるのに対して日本語話者は1億3000万人)を考えれば、かなり健闘しているほうだとも言えるかもしれません(なお、日本の7社のタイトルはKindle本全体の27%を占めている一方、ビッグ5のうちPRHは、1社で英語圏全体の売り上げの4割を超えるガリバー出版社です)。


――中略――


 日本のKindleストアの合計タイトル数は、32万点。自己出版も入ってはいますが、米国ほど膨大な数とは思えません。仮に、まったく仮の話ですが、そのうちの5万点が自己出版物と考えて、27万点が伝統的な意味の「本」だとしても、米国の54万点の約半分の規模になります。これも市場の大きさや人口の違いを勘案すれば、ほぼ同等と考えることもできるでしょう。 
 「日本は遅れている(米国は進んでいる)」「日本の出版界はガラパゴス」などという解説をしたり顔で述べる評論家が多いのですが、出版や電子書籍に関する技術的、経済的条件が、日米でそれほど異なるとも思えません。
 「幽霊の正体見たり 枯れ尾花」。ありもしない幻影に怯える必要はなく、ただ必要な手を一つ一つ打っていくことが必要なのではないでしょうか?



2015年5月26日火曜日

極貧における食事風景86


極貧における食事風景86 狭間から見え隠れするもの その4








有能と無能の狭間。




世間ではすでに、出来る人間と出来ない人間にラインを引き、出来ない方を間引いていくシステムが構築されています。


ボケーッと公園から人々の流れを見ていますと、歩いている人々の間にも、「出来る出来ない」のラインが現れてきます。


それは単純に、所作であり表情であり態度から、私が勝手にそう判断しているにすぎないのですが、
どことなく雰囲気として「出来る人間」「出来ない人間」が分かれてしまうことは、自然の摂理といっても差し支えがありません。


では、その「間の方々」はどうされているのでしょうか?
いわゆる、普通の方真面目な方地味な方のことです。



2015年5月24日日曜日

新書紹介「ラッセルのパラドクス」三浦 俊彦 著


新書紹介「ラッセルのパラドクス」三浦 俊彦 著





こちらの新書は、2005年が初版となり、私が所有しているものも初版です。




著者

三浦俊彦

1959年長野県生まれ。
1983年、東京大学文学美学芸術学科を卒業。
現在は東京大学人文社会系研究科美学藝術学教授。
著書に、「虚構世界の存在論」「可能世界の哲学」「論理サバイバル」などがある。





本書目次


Ⅰ<反―常識の形而上学>


第1章 ラッセル哲学の輪郭


第2章 「世界は一つ」ではない?



Ⅱ 世界を解き放つ


第3章 数学を矛盾から救うには?


第4章 多重世界こそ現実だった?


第5章 階層の中にまた別の階層が?



Ⅲ 世界を読み換える


第6章 日常言語は信頼出来るのか


第7章 知が世界につながるためには?



Ⅳ 世界を組み直す


第8章 分析には終わりがある?


第9章 心と脳は同じものなのか?




2015年5月23日土曜日

極貧における食事風景85


極貧における食事風景85 狭間から見え隠れするもの その3






子供と大人。



子供と大人の狭間。
世間では、「青年」という形で表現するそうですが、それも戦後に始まった話だと聞いたことがあります。


それまでは「青年」という立ち位置すらなく、少年から即大人へと繋がっていたことでしょう。


しかし現代では、「青年」という曖昧かつ微妙な年齢、立場が生まれ、心も身体もそれに準じているところがあります。



平日昼間の公園から都会の喧噪を覗いてみれば、それこそ「青年」という存在が至るところを歩いております。



2015年5月22日金曜日

作風とはいかに。


作風について。





小説を執筆するにあたって、さまざまな作風が存在します。


ねちっこい文体であったり、
サラッとした文章であったり、
説明が多かったり、
美辞麗句を並べたりと、
それぞれの得意とする、あるいは主戦とする作風です。


作家のみなさんはどのようにして、そういった作風を手に入れたのでしょうか?


子供のころでしょうか、
尊敬する作家の真似からでしょうか、
それとも独自なものでしょうか。


「個人」によって異なるのでしょうけども、私の場合は「真似」から入りました。




それは、三島由紀夫さんであり芥川龍之介さんであり楳図かずおさんのことを指します。


私自身、真似以外の方法を知らないもので、なんとも言えないのですが、
誰の真似でもない純粋たる文体作風というものがあるとするなら、いったいどういったものなのか、気になるところではあります。



2015年5月20日水曜日

極貧における食事風景84


極貧における食事風景84 狭間から見え隠れするもの その2







正義の狭間について。


世の中、正義と悪で溢れかえっています。


一応、世間的には法律という形でその線引きがある程度担保されておりますが、こと個人においては曖昧になってしまいます。


例えば、電車で赤ちゃんが泣いているとして、
ある人は「うるさい!」と思うでしょうし、
ある人は「泣くのが仕事だからな」と感じ、
ある人は「あらかわいい!」と笑顔になる。


このように個人において、外部の事象に対して「正義や悪」を規定するのは、人の心です。


「千差万別」「人それぞれ」で大概の議論は片付くのですが、人間には「モラル」「道徳」という類い希なるものが備わっていることだけは確かです。


これらは正義や悪を線引きするのに非常に役立つ存在なのですが、やはり「人それぞれ」で片付いてしまいます。


では、そのライン上に己が身を置いていると、どのように感じるのでしょうか。



2015年5月19日火曜日

電子書籍と3DSと児童書。


電子書籍と3DSと児童書。





私は知らなかったんですが、ゲームの「3DS」でも電子書籍が楽しめるそうです。


3DSでは特に、児童書絵本が流行っており、小さなお子さん達がゲーム機を通して活字や絵を楽しんでおられるようです。


Pictio様の記事にて、現状の3DS書籍を解説されていますので、一部を引用させて頂きます。


「Pictio」様の記事へ




引用元「Pictio」様

 印刷会社大手の大日本印刷が、ニンテンドー3DS向けに子ども向けの電子書籍サービス「honto for ニンテンドー3DS」を開始したのは、2013年12月でした。 
 あれから2年ほど経過しているので、今の状況を見てみました。サービス開始時には、本の品揃えはまだまだという感じだったのですが、今では子ども向けの電子書籍サイトとしては、児童書が約400冊、絵本が約130冊、そして学習マンガが約160冊と全部で600冊ほどのラインアップへと成長しています。

――中略――


 何よりも電子書店そのものが、子ども向けということで、コンテンツが選ばれているのがメリットです。今の電子書店では、検索の仕方によっては、アダルト系のタイトルが出てきてしまうことがあります。その点、honto for ニンテンドー3DSでは、どう検索しても成人向けのタイトルが出てくる可能性が全くありません。安心して利用できます。読みたい本を選んで買えるというというのも無駄がなくて良いですね。




2015年5月18日月曜日

極貧における食事風景83


極貧における食事風景83 狭間から見え隠れするもの その1





表題のとおり、新シリーズです。
こちらは計5回を予定しており、今回は前フリ的な記事となります。






世の中には、狭間という奇妙な場所が点々と存在します。


ビルとビルの間であったり、カップルの微妙な距離であったり、少年と青年の間であったり、タンスと壁の狭い隙間であったり、あるいはこうも表現出来ます。


境界線。線上。ライン上。曖昧。どっちつかず。


こちらであれば、正気と狂気の境界線であり、引かれたレールの線上であり、日本人的曖昧であり、正義か悪かどっちつかずであったりします。




では、格差の間には、いったい何があるのでしょうか?


もちろん私は、金持ちなど経験したことがありません。
ですから、向こう側とこちら側に金銭的ラインを引くことは出来ないのですが、
あいにく世間が勝手に引いたラインというのはございますので、これを元にさまざま語ってまいりたいと思います。



2015年5月16日土曜日

THE・休憩


今月は「筋肉少女帯人間椅子」の紹介です。






説明は不要かと思われますので、割愛致しますが、
あの「筋肉少女帯」と「人間椅子」がタッグを組み、新曲を発表されるそうです。


シングルは5月13日発売となり、グッズも多々販売されるようです。


「徳間ジャパン」特設サイトへ


その気になる新曲ですが、独特な曲調とオリジナリティ溢れる展開を含んでおり、昨今ではあまり見られないものに仕上がっています。


また、売れる売れないは別にして、双方のファンとしては嬉しい限りで、死ぬまで現役を通して頂ければなと、心底思ったりもしています。



2015年5月15日金曜日

田中せいやさんのショートショート集「ぬくもりバナナ」発売中ですよー。


田中せいやさんの「ぬくもりバナナ」発売中です(無料立ち読みアリ)


BCCKS「ぬくもりバナナ」へ

BCCKS様では配本先リンクも




目次抜粋(一部)


慣習/同窓会/ヤツは、いた/孫/社命



【小休止の川柳(日常)】


びんぼうゆすり/うちの妖怪/外科医マキノの推理/ファースト・コンタクト/ 数の事件/督促状/ティッシュ/おやつの分け方


【小休止の川柳(冗談)】


超能力っす/ぶんぶんぶん/あなたに包まれて


他、計33編の短い物語




めくるめくショートショートの世界が、この一冊にぎっしり詰まっています!


筒井康隆さん風あり、ドタバタあり、現実あり、辛辣あり、ほんわかアリと、さまざまな物語が読者の気持ちを揺さぶるような内容になっております。


ですから、「読んで良かった」と思われること間違いありません!


また、こちらの「ぬくもりバナナ」は、
ブックパス」様にて読み放題プランもございます。
併せてご利用下さい。

詳しくは、ブックパス様のサイトまで。



ブックパスへ移動



2015年5月14日木曜日

「砦なき者」ドラマのお話です。


「砦なき者」ドラマのお話です。





今回は、映画の紹介ではなく、日本のドラマ紹介記事となります。


こちらのドラマは、2004年に放映された作品です。
なお、私が所有している映像は、VHSの録画分となりますので、画像が荒くなってしまっています。
ご了承下さい。




監督


鶴橋康夫






脚本

野沢尚




出演


役所広司

妻夫木聡

鈴木京香
 
内野聖陽 他



2015年5月12日火曜日

網葉きよらブログ記事 累計ランキング 第4回


網葉きよらブログ記事 累計ランキング 第4回







今まで掲載した390以上の記事の中で、上位の10記事をこちらで発表させて頂きます。


各順位に掲載している画像をクリックして頂ければ、該当記事へ飛ぶようになっております。


ちなみに、凡その数字を掲載致しておりますので、ご了承下さい。




第1回ランキング記事こちらから。
第2回こちらからどうぞー。
第3回こっちで。












第9位

「R100」 映画の考察です。

<800PV>





2015年5月11日月曜日

網葉きよら短編「ありったけのマーマレード」掲載雑誌。


宣伝日。




日本独立作家同盟様主催の電子書籍「月刊群雛3月号(2014年)」に、
私こと「網葉きよら」の短編、

「ありったけのマーマレード」

のご掲載を頂いております。


こちらの月刊誌は、様々なインディー作家が集結し、色とりどりな作品を発表している、かなり珍しい電子書籍となっております。


気になる販売サイト情報ですが、日本独立作家同盟様のご尽力により、様々な電子書籍サイトにてお取り扱い致しております。


日本独立作家同盟様「月刊群雛 刊行リスト」へ



2015年5月10日日曜日

作品の構成について。


小説作品の構成について。





映画でも小説でもそうですが、物語を作るにあたって、全体的な構成を必ず考えなければなりません。


基本的には、「起承転結」「序破急」という二つの構成を主眼に置きつつ物語を作れば良い、とされています。


当然私もその二つを考えながら小説を執筆しているわけですが、たまに、ごくたまにですが、どういう訳かそれらから完全に逸れてしまうことがあります。


もちろん、頭では構成を理解しており、そのように書いているハズなのですが、何故か横道へ逸れ、全く別の場所へ進もうとする時があるのです。


勢いで書いている時にその現象が発生するわけですが、こういった場合、みなさんはどのようにされているんですかね。



2015年5月8日金曜日

Amazonが「Kindle Singles」を立ち上げたそうです。


Amazonが「Kindle Singles」を立ち上げたそうです。


記事元「INTERNET Watch」様


記事元へジャンプ



一部引用


 Amazon.co.jpは28日、短編の電子書籍を販売する「Kindle Singles」を開始した。 
 Kindle Singlesは、400字詰め原稿用紙換算で30~150枚程度と、通常の書籍に比べて短い構成の電子書籍。価格は1冊99円~399円。

 Amazonでは、プロの作家だけでなく、新進の作家の作品や、英語版/ドイツ語版のKindle Singlesのベストセラー作品なども対象タイトルに追加していくことで、Kindle Singlesの拡充を図ると説明。作家や出版関係者に作品の提供を呼び掛けている。また、Kindle Singlesに直接作品を提供した著者は、最大70%のロイヤルティを受け取れるとしている。



2015年5月7日木曜日

無料小説コーナーを変更しました!


短編1本丸々立ち読みコーナーを変更です!





右枠にございます「短編1本丸々立ち読みコーナー」を、別の小説に入れ替えました。


端編集1」に収録しております「プラスチックムーン」から、
「普遍的世界におけるたった一つの例」
に変更です。


なお、期間限定での公開となりますので、留意下さい。
※推奨ブラウザはChrome,Safariになります。


「普遍的世界におけるたった一つの例」の簡単なストーリー概要は、こちらの記事を閲覧下さい。


また、「端編集1」は100円にて絶賛発売中です!
この機会に是非どうぞ!


 

AMAZONご利用の方は、Kindleアプリをダウンロード下さい。

 







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2015年5月6日水曜日

最終回 「八方YABURE!」


「八方YABURE!」 最終話







簡単なあらすじ


主人公の「上村俊太」は、22歳で無職の一人暮らし。

「マリアンヌ」なるメス猫を一匹飼ってはいるが、
たいした生活を送っているわけでもなく、
ネットゲームに没頭する毎日だった。

また、上村はネットゲーム上で「神」の通り名を与えられているほど、ゲームが上手かった。

しかし現実のほうはというと、就職活動も手に付かず、
ただただ生ぬるい一日を過ごすだけで、生産的な行為は何一つなかったのだ。

ある日、いつものように気怠く起きた上村は、マリアンヌに餌をやり、コーヒーでも飲もうかと台所へ進む。

ふと部屋に戻ると、「ピンポーン」というチャイムの音。

「めんどくさい」と上村。

そのまま来訪者を無視しようとした彼だったが、
その思いは「ある音」によってぶち壊しとなる。

ーーバリッ! ガシャーン! バリバリッ!

狭い6畳1間アパートの玄関ドアが、大きな音をたてる。

「こんにちわー上村さん! いやー、チャイム押しても出ないから、ドア、壊しちゃいましたよハハハハッ!」

見れば、普通のサラリーマンとボロボロになったドアなる存在が。

「あんた、人ン家来て何やってんだ? ドア壊すとかバカじゃねーか?」

果たして上村は、突飛な来訪者を退けることが出来るのか?
そして、来訪者たちの真意はいかに。



2015年5月4日月曜日

中編小説「八方YABURE!」 第12話


「八方YABURE!」 第12話





全12話の予定でしたが、全13話に変更です。
よって、次回がラストとなります。
ご了承下さい。






記事一覧


第1回 ・第6回 ・第11回
第2回 ・第7回 ・第12回
第3回 ・第8回 最終回
第4回 ・第9回
第5回 ・第10回





八方YABURE! 第12話




 老師の右足が畳をズドンと鳴らし、右拳が直線を描き出す。

 上村は右斜(なな)め前へ舵(かじ)を取り、これで直線に対する動的受け流しの手はずが整った。

 しかし老師は歴戦の勇である。斜めに移動を開始した上村を捉えると、その[猛虎硬爬山(もうここうはざん)]は追尾を開始、さらに裡門頂肘(りもんちょうちゅう)へ変化をみせ、上村の脇腹一点だけを目指した。

 ――

 ――音はない。

 どうやらかわしたようだ。






2015年5月3日日曜日

網葉きよら小説「八方YABURE!」 第11話


「八方YABURE!」 第11話







全12話の予定でしたが、全13話に変更です。
ご了承下さい。





記事一覧


第1回 ・第6回 ・第11回
第2回 ・第7回 ・第12回
第3回 ・第8回 最終回
第4回 ・第9回
第5回 ・第10回





八方YABURE! 第11話




 ――ドガン! バキバキッ!

 ベッド横の壁に背中を打ち付け、大きな穴が開く。着地点はベッド上になりそうだ。だが、ベッドにはマリアンヌが存在する。『このまま落ちればマリアンヌを直撃してしまう』そう感じた上村は、垂れ落ちる身体に鞭(むち)を入れ、まだ健全なその両腕を撓(しな)らせた。

 ――トスン

 着地は両腕の二点のみ。最小限の接点に留めると、逆立ち状態のまま、もう一度身体を捻(ひね)らせた。すると今度は、両足の二点が薄い床を捉える。直後、「ドン!」という嫌な音を聞いた。

 老師に対し後ろ向きに着地した上村は、またもや宙に浮く事となり、先程とは比べものにならない程の激痛が背中を襲った。さすがの彼も痛みには敵わず、思考は封印、壊れた日常が線状となって駆け抜けていくばかりだった。

 ――ガシャン!

 破損していた窓ガラスへ頭から突っ込み、お陰でガラスは全壊、上村の頭は半壊状態となった。

「……ファッk……これは血か……俺から血が流れてんのか……。なんだよこれ、マジかよ……」

 流れ出る血をか細い腕で拭(ぬぐ)ってみれば、赤に塗(まみ)れた外の喧騒が映り込む。もう一方の手で視界を確保しようと試みるが、その甲斐なく、赤青混ざって[紫色の瞳]へと変化を遂げるに至ってしまった。

「……ホーリーシッッt」







2015年5月2日土曜日

第10話 「八方YABURE!」


「八方YABURE!」 第10話








記事一覧


第1回 ・第6回 ・第11回
第2回 ・第7回 ・第12回
第3回 ・第8回 最終回
第4回 ・第9回
第5回 ・第10回





八方YABURE! 第10話




「ホッ? そうかのう……確かここだと思ったんじゃが……、間違ったかのう?」

 小さな玄関土間からしゃがれた声が届く。

「あっ、あの、ココは違うっす。俺は上村なんかじゃなくて……」

「ニャー!」

 マリアンヌがおどおどしていた上村へ向け、可愛らしい声を鳴らす。

「ホッ? 何か聞こえたようじゃが、マリアンヌかいのう?」

「ノ、ノーっす! 猫じゃないっす! 違うんす! 全然そんなじゃないっす!」


「ニャー!」

 布団からヒョコりと顔を出し、上村の側に寄ると、足首あたりへ額を押しつける。

「ほう! やはりマリアンヌのようじゃの。それじゃあ、ワシもそっちに行こうかの」

「ち、ちょっと待った! マリアンヌじゃないんすよ!」

「ニャーーーー!!」


 否定ともとれる音量で、マリアンヌの口が大きく開く。

「お、おいおいおいマリアンヌ! 何やってんだよ! 俺は……俺は……あっ!」

 気が付けば、小さなご老体が部屋内へ進入していた。

「ホッホッホッ! 猫という動物はええもんじゃのう。まるでおなごのようでホッホッホッ、ワシも昔は浮き名を流したもんでの、ああそうじゃった、今は[モテる]とかいうんじゃった。それでな――」

 側に寄っていたマリアンヌを布団に投げながら、上村が言った。